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肝炎とは‐B型肝炎とC型肝炎

 
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肝臓病(肝炎)とは

肝臓病の原因の代表的なものはウイルスやアルコール、肥満、薬剤、免疫異常、遺伝などがあります。健診でみつかる肝障害の多くはアルコール性肝障害や肥満による脂肪肝です。脂肪肝の一部は肝硬変や肝がんに進行します。詳しくはコチラ>>

一方、慢性肝炎、肝硬変、肝がんの原因で多いのはウイルス性肝炎です。日本でのウイルス性肝炎は国内最大級の感染症で、B型肝炎110-140万人、C型肝炎190-230万人と推定されています。これは日本人の約40人に1人がウイルス性肝炎に感染していることに相当します。現在、肝がんで年間約3万人が死亡していますが、その原因の約70-80%はB型・C型肝炎由来で、約60-70%がC型肝炎、10-15%がB型肝炎由来です。原因がはっきりしているので、肝がんは予防が可能ながんの一つといわれています。

B型肝炎やC型肝炎は血液を介して感染します。B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルス保持者(キャリア)の一部が慢性肝炎、肝硬変、肝がんに進行します。肝臓は「沈黙の臓器」ともいわれ、肝炎になっても自覚症状がほとんどありません。そのため、気づかないまま肝硬変、肝がんへと病気が進行していきます。肝機能検査値が全く正常であっても肝がんが発症することがありますのですべてのウイルスキャリアは定期的な検査が必要です。また、ウイルスが消失しても慢性肝炎の経過が長かった人は高齢になって肝がんが出現することもあります。インターフェロン治療でC型肝炎ウイルスが消失して22年後に肝がんが出現した症例も経験していますので、一生涯定期的な検査は必要です。

B型肝炎とは?

成人になってB型肝炎ウイルスに感染すると、肝臓の細胞が破壊されて肝臓の働きがわるくなること(急性肝炎)があります。ただし、多くの場合、一過性で自覚症状もでにくいため、気づかないうちに、ウイルスは排除されます。まれに、劇症肝炎など、症状が重くなることがあるため注意が必要です。成人での感染の原因の多くはウイルスキャリアとの性交渉です。 最近では外国から持ち込まれたタイプの異なるB型肝炎ウイルス(欧米型A)の感染例が増加しており、その場合は成人で感染しても約10%はキャリアになることが問題になっています。

一方、3歳までの乳幼児期にB型肝炎に感染すると持続感染(キャリア)になります。日本人のB型肝炎ウイルスキャリアの多くは国による母子感染防止事業が導入される1985年以前に生まれた方で、出生時に母親から赤ちゃんへ感染したと考えられています。一部のキャリアは乳幼児期に受けたワクチン接種などの医療行為からの感染も考えられています。

母子感染または乳幼児期までに感染したキャリアは15歳から30歳頃に肝炎をおこしますが、85-90%のキャリアは短期間に終息し肝機能が正常の非活動性キャリアとなります。一方、10-15%のキャリアは肝炎が持続し、肝硬変や肝がんへ進展します。ただし、非活動性キャリアであっても、肝がんを併発することがあります。

B型慢性肝炎の治療は

B型慢性肝炎に対する治療の目的は
1.ウイルスの増殖をおさえること
2.肝臓の炎症をおさえること
3.重い肝炎の症状や肝硬変、肝がんへの進行をおさえること
ですが、1.のウイルスをおさえることで肝臓の炎症をおさえ、肝硬変や肝がんへの進行を抑えることにつながることから、抗ウイルス薬が治療の主体となります。

B型肝炎ウイルスに対する抗ウイルス薬は、血中と肝臓の細胞内のウイルス量を減少させる効果がありますが、ウイルスを完全に排除することはできません。HBe抗原が陽性から陰性となり、HBe抗体が陰性から陽性へになることを「セロコンバージョン」が起こるといいます。この状態になるとウイルス量が減少して、肝炎が鎮静化する可能性が高くなります。また、ウイルス量とともに、HBs抗原量が低値になると、肝がんが発生する危険が少なくなります。このためB型肝炎の抗ウイルス療法では、HBe抗原・抗体系の「セロコンバージョン」を起こすとともに、血中のHBV-DNA量とHBs抗原量を低下させて、血清ALT値が正常化することを目指します。慢性肝炎ではALT31 IU/l以上かつHBVDNA 4.0 Log copies/ml以上、肝硬変ではHBVDNA 2.1 Log copies/ml以上の陽性であれば抗ウイルス療法の適応です。抗ウイルス薬には、注射薬であるインターフェロン製剤と飲み薬である核酸アナログ製剤を用います。

1 インターフェロン、ペグインターフェロン

インターフェロンはウイルスに直接作用するとともに、身体にも働きかけてウイルスに対する「免疫」を高めることで、ウイルス量を減少させます。筋肉注射、静脈注射のインターフェロン製剤と、週1回の皮下注射でよいペグインターフェロンが治療に使われています。ペグインターフェロンの場合は48週間続けて投与すると、20~40%の患者さんで肝炎が抑えられ、治療を中止してもこの効果が持続します。インターフェロンが効きやすいかどうかは、患者さんの年齢やウイルスの遺伝型(ゲノタイプ)によって差異がありますので、肝臓専門医と相談してください。

2 核酸アナログ製剤

核酸アナログ製剤はウイルスが肝臓の細胞の中で増えるのを抑える薬です。ラミブジン、アデフォビル、エンテカビル、テノホビルの4種類の薬があります。1日1回の内服で、血清HBV-DNA量が低下し、AST、ALT値が正常化します。ただし、服薬を中止するとウイルスが急に増えて、重篤な肝炎を発症する場合があります。また、長期間服用し続けると、B型肝炎ウイルスが突然変異をおこして、薬が効かなくなる耐性変異ウイルスが現れ、肝炎を再発することもあります。耐性変異ウイルスが出現する頻度はラミブジンで高率ですが、エンテカビルとテノホビルでは低いことから、これら2剤の何れかを第1選択薬として用いるのが一般的です。テノホビルは妊娠中や妊娠の可能性がある方に対し胎児への危険性の証拠はないとされ、比較的安全といわれています。しかしアデフォビルでみられる腎障害や低リン血症による骨軟化症などの副作用が、テノホビルでも低頻度ながら出現するリスクがあります。

核酸アナログ製剤治療中に薬剤耐性変異のウイルスが出現した場合には、他の製剤を併用することで、治療効果が得られます。

服薬する薬の種類、期間などについては、担当する肝臓専門医の指示に従い、決して自己判断で中止しないでください。

C型肝炎とは?

C型肝炎はC型肝炎ウイルス(HCV)によって感染して起こる病気です。日本の肝がんの原因でもっとも多いのがC型肝炎で、約6割を占めます。

C型肝炎は慢性化しやすくC型肝炎ウイルスに感染した人の約7割が慢性肝炎を発症し、放置しておくと肝硬変、肝がんへと進展することがあります。肝炎になっても自覚症状がほとんどありません。そのため、気づかないままおよそ20-40年で肝硬変、肝がんへと病気が進行していきます。肝硬変に進行すると年率6~9%の頻度で肝がんが発生します。つまり肝硬変を10年間経過観察すると約8割が肝がんを合併することになります。しかし、最近は高齢の患者さんでは、肝硬変になるまえに、慢性肝炎から肝がんができることが多いことがわかってきました。また、インターフェロンなどの抗ウイルス療法でC型肝炎ウイルスを排除すると、肝がんが発生する頻度は低下しますが、とくに、高齢な患者さん、肝硬変まで進行している患者さんでは、ウイルス排除後も肝がんができる可能性が低くありませんので、定期的な検査を受ける必要があります。

以上からできるだけ早めに治療してウイルスを排除することが肝がんの予防となります。

日本肝臓学会編:慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド改変

C型肝炎の治療は

C型慢性肝炎の治療の目標は、肝臓病が進んで肝硬変や肝がんになってしまわないようにすることです。このためには、抗ウイルス療法によってウイルスを排除し、肝臓病の進行を止めることが最も大切です。また、ウイルスの排除がうまくできなかった場合、副作用で抗ウイルス療法を中止してしまった場合、他の病気などの理由で抗ウイルス療法を受けられない場合などには、肝臓の炎症を抑える肝庇護療法を行うことで、肝臓病の進行を遅らせることができます。

近年、副作用が少ない「飲み薬」のみの治療が主流となりました。95%以上の確率でウイルス排除(完治)が期待できます。ウイルスが排除できなかった場合は耐性ウイルスができ、その後の治療が難しくなることがありますので注意が必要です。

主な治療方法

1 抗ウイルス療法

ウイルスを排除する治療には、インターフェロン製剤(IFN)、経口抗ウイルス薬のリバビリンおよび直接作動型抗ウイルス薬(direct-actingantiviralagent:DAA)の3種類が使われますが、最近ではIFNフリーDAAが主体となっています。

(1)直接作動型抗ウイルス薬(DAA)
C型肝炎ウイルスが肝臓の細胞内で増える過程を直接抑制する飲み薬です。現在推奨されている直接作動型抗ウイルス薬は、ソフォスブビル、ハーボニー(ソフォスブビルとレディパスビルの配合薬)、グラジナ/エレルサ、マヴィレット(グレカプレビル/ピブレンタスビルの配合薬)などがあります。
(2)リバビリン
リバビリンはインターフェロンや直接作動型抗ウイルス薬と併用することで、これら薬の効果を高める飲み薬です。
(3)インターフェロン、ペグインターフェロン
インターフェロンは患者さんの身体に働きかけて、C型肝炎ウイルスを排除する物質を作らせたり、異物を排除する「免疫」の反応を強くしたりする注射薬です。ペグインターフェロンはインターフェロンに大きな糖鎖をつけて、血中から薬が消えにくくすることで、週1回投与で効果を発揮できるようにした製剤です。

以上のように、C型慢性肝炎、肝硬変の治療では、これら3種類の薬を使い分けますが、前述したよう近年では「飲み薬」だけの複数の直接作動型抗ウイルス薬あるいは直接作動型抗ウイルス薬とリバビリンの2剤の併用療法が主流となっています。また、直接作動型抗ウイルス薬を用いる場合は、治療前に薬に対するウイルスの感受性(ウイルス変異)を調べることもあります。

直接作動型抗ウイルス薬には副作用がほとんどありませんが、ほかの疾患で服用している薬との併用で危険な副作用が出現したり、ウイルスを排除する効力が低下することがあります。また腎機能が低下している場合は使用できない薬もあります。これらの治療は大変専門性の高い治療法ですので、肝臓専門医と相談して、最適の治療を受けることが大切です。最新のC型肝炎治療の項目を参照してください。

2 肝臓の炎症を抑える治療

肝臓の炎症を抑え、肝臓の機能を保つことは、肝硬変進展および肝細胞がんの発生を抑制することになります。血清ALTが高値で抗ウイルス療法が困難な患者さんでは肝庇護薬などで治療を行います。グリチルリチン酸製剤(強力ミノファーゲンC静脈注射)やウルソデオキコール酸製剤などの肝庇護薬には、肝臓の炎症を抑える作用があります。またC型肝炎では、肝臓に蓄積された鉄分により活性酸素が発生し、肝炎症状の悪化を招きます。このため肝臓に蓄積された鉄分を減らすための治療として瀉血療法があります。血液200-400mlの採血を繰り返すことで多量の鉄を含む赤血球を体外に排出させ、体内の鉄の総量を減少させる治療です。あくまで肝炎の進行を抑え肝硬変及び肝がんへの移行を防ぐための治療法であり、肝炎自体の治癒を目的とするものではありません。 また、食事でも鉄分を多く含む食品をできるだけ取らないようにします。

ウイルス性肝炎での日常生活で注意すること

安静について~日常生活はできるだけふつうに

慢性肝炎や症状がない肝硬変では安静にする必要はなく、運動制限もありません。体力の保持のためにはむしろ適度の運動を心がけましょう。

食事はバランスよく

偏った食事や暴飲暴食は肝臓に負担をかけるため、バランスのとれた規則正しい食生活を心がけましょう。特に蛋白質は、肉や魚以外に大豆などの植物性のものを含め、いろいろな食品からとるようにしましょう。鉄分の多い食品、アルコールは控えてください。また保存料や着色料などの添加物が含まれているインスタント食品、スナック菓子は肝臓に負担をかけることがあり、できる限り避けてください。

他の人に感染させないためには

B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスは血液や体液を介して感染します。

特にB型肝炎は血液中のウイルス量が多く、キャリアの方は性交渉パートナーへの感染に注意する必要があります。このためパートナーにはワクチン接種などで感染を予防することをお勧めします。一方、C型肝炎ウイルスは血液中のウイルス量は非常に少なく、性交渉パートナーへの感染はほとんどないといわれています。

B型肝炎ウイルスもC型肝炎ウイルスもは食事、入浴などの日常生活で、家族内で感染することは通常はありません。ただし、歯ブラシ、剃刀、歯磨きなど出血の可能性がある生活備品は、家族内で共有しないようにしてください。また乳幼児への飲食物の口うつしは控えてください。血液や分泌物がついたものは、しっかりくるんで捨てるか、流水でよく洗ってください。外傷、鼻血などの出血は自分で手当てし、手当てを受ける場合は、手当てする人に血液がつかないように注意し、血液がついても洗い流せば問題ありません。

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